Cotton Candy

夢の続きは、ひとつかみの綿菓子

手渡し

今週のお題は「バレンタインの思い出」←月並みね(笑)

友チョコが出来たのっていつ頃からなのだろう?昔は、バレンタイン=女性から男性へ愛の告白をする日だったのに、だから、とてもロマンチックな日だったはずなのに、それがなくなってしまったのは淋しくない?(爆)

チョコのCMだって、昔は、女の子が恥ずかしそうに先輩(だいたいサッカー部員)にチョコを渡すっていうのが定番だった。で、先輩は照れくさそうにチョコ受け取るの。・・・これって、男性なら誰だって一度は経験したいシーンなのでは?(笑)

実は、女の子にとってもこういう経験って貴重で大切で素敵なことだと思う。残念ながら、私は、学生の時はすでに付き合っていた男子に渡したわけで、こういうことをしたことはなかった。

でも、社会人1年目のとき、義理チョコではあったけど、隣の席のいつも仕事を教えてもらっていた口の悪い上司にプレゼントしたときは、もうまさにこの少女のような気持ちで大変だった。前日必死に作ったチョコなのに、どうしても渡すタイミングがつかめない。朝からずっと隣にいるのに、渡せない。皮肉にも彼はなぜか社内にファンが多くて、隣の課はもちろん、他の部署からも女の子たちが「●●さあん、チョコ持ってきたよ」なんてかるーく渡しに来る。取引先に出向けば、かわいい包みを持って帰ってくる。彼の机の上はどんどんチョコで埋まる。

そして、いつのまにか(これがまた不思議なんだけど)課内の飲み会(遅れた新年会?)になってしまった。それでも飲み会の最中に急に渡すなんてできない、話題はバレンタインのことも出ていたはずなのに、22才の乙女は、できない。けっして愛の告白でなく義理チョコなのに、できない。で、会はお開きになり、みんなでお店を出たとき、もう、ここしかない!って一大決心をして、私は彼に渡した。道路の真ん中で。課員全員がギャラリーという状況で。真っ赤になって。どきどきして。面と向かって。両手できちんと。しどろもどろに「いつもお世話になっています」と一言添えて。

そのときの着ていたコートもブーツも持っていたバッグもはっきりと覚えている。映画のワンシーンのように脳裏に蘇る。そして、その心の高鳴りさえも思い出すことが出来る。

短かった会社員生活。いろんなことがあったけど、これはベスト3に入る貴重な思い出かも。最初で最後だった経験。あのときの思い、これからもずっと忘れずにいたい。バレンタインの日には思い出して、おセンチになりたい。夫には内緒だけど・・・(笑)。