Cotton Candy

夢の続きは、ひとつかみの綿菓子

今日の失敗

土曜日の午前中は職場で仕事をしていた。そろそろ帰ろうと思ったとき、スマホが鳴って慌てたたため、テーブルの上のコーヒーをこぼしてしまった。なんとスカートの上に。大胆に。麻混だから、みるみる広がった。うわーっ、大変!急いで、ロッカーからスエットを出し、穿き替えて、流し場でこぼしたところを水洗いした。幸いシミにならずに済んだ。でも、濡れている。当たり前だけど、濡れている。シワにならないようにタオルに挟んで水気をとったけど、濡れている。ベージュだから、濃い茶色の地図がくっきりと浮き出ている。

ありゃあ、これを穿いて電車に乗れるわけがない。バッグで隠せる範囲ではない。そうかといって、スエット(上はブラウス)で帰るわけにもいかない。こんなことでタクシー乗るほど馬鹿ではない。

じゃ、乾かすしかないでしょ。外には干せないので、ハンガーにひっかけてみた。ああ、こんなときドライヤーがあればいいけど、さすがに職場にはない。気長に待つしかない?でも早く帰りたい。そう思ったら、家でやることが次々に浮かんできて、ますます早く帰りたくなる。

風、風、風を当てればいい。どこかに風はない?あった、エアコンからの風。これだ、これに当てよう。なるべく近くから当てたいから、椅子に上り、エアコンの送風口にスカートをかざした。うんうん、これなら乾きそう。でも、まさか乾くまでずっと手で持っているわけにはいかないでしょ?何かで止めなきゃ。洗濯ばさみ?ない、ない。そうだ、ダブルクリップを代用しよう。いくつか大、小のクリップを用意して止めようと試みる。が、ダメ。挟めるところがないんだもの。下手に挟めば、しわくちゃになるし。

うーん、エアコンにふわーっとかぶせたような状態を保ちたい。えーと、壁に掲示物を貼るときは、画鋲がダメならテープでしょ。ほいほい、いい手だ。ガムテープ?いやいやどこかにマスキングテープがあったはず。

そうして、私は緑色のマスキングテープで、あちこちをびーっ、びーっと貼り付け、見事にスカートを覆ったエアコンが完成したのでした。

 

あとは仕事でもして乾くのを待つだけ。そうだな、メールでも送ろうか。今じゃなくてもいいメールだけど、ま、送っておこう。あ、仕事関係よ(笑)。いまだに遅いフリック入力で、真剣に頑張る。ほんとにこれ、不得意科目。どのくらいかかっただろう。5通メールを送って、満足したら、それなりの時間が経っていた。

そろそろ出来上がったかな?再び椅子に上り、スカートの様子を見る。にっこり、無事に乾いている。地図、跡形ナシ。多少冷たいようなところもあるけど、全然問題なし。スカートだから大丈夫、大丈夫。(^_^)v

 

そして、5分後私は何にもなかったように普通の顔をして平然と職場のビルを出たのでした。

大人になると、こういうこと(スカートやズボンに液体をこぼす)って、しないんだと思っていた。少なくとも40代大人の女性はしないんだと思っていた。でも、見事な処理をしてピンチをくぐり抜けたのはさすが。さらに、あのとき事件が起きなければ、送っていなかっただろうメールが功をなしたら、災い転じて...になるんだけど、ま、それは期待しないって。大人だもん。