Cotton Candy

夢の続きは、ひとつかみの綿菓子

観なければ...

その昔、怖い夢をみた。

夜中ぐずっている赤ちゃんをもうどうすることもできなくて、机の引き出しに入れ、鍵をかけ、そのまま寝てしまう。朝になって起きたら、お洒落して映画を観に行って食事して、帰ってきてもテレビ観たりゲームしたりして楽しく遊んでいる。で、ふと気付く。そういえば、机の中に...。どきん、と心臓が鳴り、血の気が引き、身体が固まり、どうしよう、どうしよう...って思う。でも、怖くて怖くて、机の引き出しを開けられない。どうしよう、どうしよう。震えながら机の引き出しに手を触れたとたんに、目が覚めた。

あまりに怖い夢だったので、ずっと忘れることができなかった。

そして、3年前の夏、あの事件を知った。大阪市のマンションで、母親に育児放棄された幼い姉弟が亡くなった事件。「ひどい」「むごい」...誰もが思うように私だってショックを受けた。子どもたちを苦しませて命を奪ってしまった母親を憎んだ。許せなかった。

でも、でも、ふと思う。私のみた夢と同じじゃないか。私の場合は夢だった。それだけの違いでは?夢というのが深層意識の表れだとしたら、もしかしたら、私だって、一歩間違えたら彼女みたいなことをしていたのではないか?

20代で3人の子の母となり、生活は完全に子育て中心だった。まだまだやってみたことがたくさんあったけど、全て我慢して育児に専念した。子どもたちは可愛くて愛しかったけど、育児はけっして楽ではなかった。夫は仕事に忙しかったし、母の助けもなかったし、ずっと一人で頑張っていた。端から見たら楽しそうに見えたかも知れないけど、それはその振りをしていただけ。毎日毎日とにかく必死だった。

彼女はシングルマザーだった。ひとりで子育てしながら働くのは大変だったと思う。風俗産業を選んだのを責められるわけがない。むしろ、誰の助けも求めずに、ひとりで頑張ろうとしたことは褒めてあげたっていいのでないか...。

もちろん、もちろん、彼女はひどい過ちを犯した(有期刑でもっとも重い懲役30年が科された)のだけど、助けてくれる人もいなく、お金もなく、追いつめられたら、こわっ...(泣)

だから、今放映されている映画『子宮に沈める』

http://sunkintothewomb.paranoidkitchen.com/←音出ます

を観ようと思うし、観なければいけない、と思ってる。