Cotton Candy

夢の続きは、ひとつかみの綿菓子

世界

少し前の「あまちゃん」で春子さんが「私の見れなかった世界をアキに見せてあげたい」って言っていたのが印象的だった。(春子さんの場合はドラマだから過去が特殊ではあるけど)こういう願望は母になると誰でも少なからず持つんじゃないかな。人生はやり直せない。だから、自分のできなかったことを子どもに託す。それがどこまで実現するかしないかは別として。

レゴブロックで思い切り遊びたかった。リカちゃん人形のお家セットを揃えたかった。そんなこともそうだし、ピアノのレッスンや英会話。そして(月並みだけど)有名大学進学など。で、先に挙げたような適当なお金で解決するようなことは簡単だけど、本人の努力や素質が必要なことは、子どもの成長と共に夢破れ、「子には子の人生がある」なんて思うようになる。都合の良い言い訳?だな(笑)。

春子さんがステージママとなって、アキの仕事に関わっている姿は、たぶん視聴者の間では非難を浴びてる気がするけど、実際、私の友人でも一人娘のために一心同体となって何から何まで関わり尽くしまくっているママがいるから分かるような気がする。彼女はこの先、お嬢さんの就職はもちろん結婚相手まで選んであげるのではないかな、たぶん。

人のことはさておいて、私はどうかと言うと、実は私は卒業した高校にずっと愛を感じていて(笑)、で、長男をその母校に入れてしまった。入れてしまったと言っても公立高校だから、ちゃんと受験をしたわけだけど、文化祭に連れて行ったり、その魅力を語ったりして、中3のとき受験校を選ぶ際にそれなりのプレッシャーをかけた。春子さん風に言えば「私の見た世界を息子に見せたかった」。もちろん、時代は変わり、それはかなり違っていたと思う。それでも歴史のある学校だったから、その伝統や校風は守られていて、息子はその中で学び、よき友と出会い、部活動や行事も楽しみ、たくましく成長することができたと思う。そして、私はといえば、学校に用のある度に、その昔上った駅から学校までの急な坂道を再び上り、懐かしい校舎に入り、もう一度青春時代を味わう?ことができたわけで、一部分ではあるにせよ、「私の見た世界を息子とともに再び見る」ことができたって、幸せ者だとつくづく思う。

それにしても、私に限らず母校に自分の子どもを入れたいっていう人の話をよく聞くけど、それって学校が魅力的っていうより、そこでの思い出がよかったってことなのかも。だって、他の高校生活を味わっていないのだから、その世界を比較できないものね(笑)。