Cotton Candy

夢の続きは、ひとつかみの綿菓子

出会い

3月に娘と台湾へ旅行した。台北市内だけの予定だったから、始めは飛行機のチケットからホテルまで自分で手配するつもりでいたのだけど、3月でちょうど仕事が忙しく、またよくよく考えたら夫のいない海外旅行は初めてだったので多少の不安もあって、ツアーに参加することに急遽決めた。仕事の合間にスマホで、日程と羽田発を条件にツアーを探した。探したというより最初にヒットしたものの内容が良かったので、他を探すのも面倒になり、それに決めてしまった。こういう決断は本当に早い。近場だし短期間だから、値段とかそれほど差はないと判断した。

ツアーは大正解。二日目で千と千尋の映画の舞台となったキュウフンと國立故宮博物院の見学があったのだけど、これだけでもツアーに参加した価値があった。どちらも混んでいて、個人で廻ったら大変だったと思う。特に故宮博物院は中国からの団体客がいっぱいで、どこもかしこも人、人、人...。日本人みたいにおっとりしていたら、見学なんて全然できない。現地添乗員さんの見事な誘導で、価値ある展示物を解説付きで満遍なく見ることができたのは本当に良かった。

ちょうど今、上野の国立博物館特別展・台北 國立故宮博物院が開催されているけど、話題になっている‘白菜’も‘肉’もちゃんと見てきた。他にも見学必須の展示品の前では、彼(添乗員さん)が「Mちゃん、速く速く!」と娘や他の子どもたちの名を呼んで、見る場所をキープしてくれた。自国を心から愛している彼は、自国の素晴らしさを未来を担う若者たちにより分かってもらいたいのだと思う。日頃美術品や工芸品なんて興味のない娘も彼の熱心さに圧倒され、目を凝らしていた。

 

参加したツアーは偶然にも、私たちみたいな年頃の夫婦や親子ばかりで、若いOLや学生グループはいなかった。これがまた良くて、移動中のバスや食事のときのテーブルでの会話がはずんだ。特に一組の親子(夫婦+大学生息子2人)とは妙に気があって、大人同士、子ども同士で盛り上がった。私はこういう経験(旅先で他人と仲良くなる)は初めてだったので、こういう喜びに驚きもした。

旅の楽しさの一つは、人とのふれ合いとはよく言うけど、それは現地の人とのふれ合いだとずっと思っていた。でもそれだけでなく、こうやって同じ旅仲間とのふれ合いの楽しさもあるのだと初めて知った。おかげで良い思い出ができた。

羽田で彼らとは別れた。「お元気で」という言葉を言い合って。握手して。

もう一生彼らと会うことはないだろう。そう考えると淋しい気もするけど、人生って、それの積み重ねなのだろう。その期間が短かいか長いか、濃いか薄いか。自分以外の人とは必ずいつか別れが来る。

 

次にどこか旅行するときもツアーに参加するつもり。いつになるかな?どんな人と出会えるかな?(^_^)v