Cotton Candy

夢の続きは、ひとつかみの綿菓子

サトウキビ

f:id:COTTONCANDY:20140813124131j:plain

私の画面は最近こればかり。いかに夏物セールをチェックしてるかが分かりますね。

仕事は先週がピークで大変だった。体調も機嫌も悪かったのだけど、その原因をつきつめれば、空腹と睡眠不足ということがわかり、今更だけど、きちんと食べ、寝ることにした。パソする時間もないくらい寝ている毎日(笑)。

f:id:COTTONCANDY:20140804233555j:plain

沖縄に行ってきた人からお土産をもらう。黒糖が美味しい。まろやかな優しい甘さ。ゴテゴテのケーキよりずっと素敵なスイーツかも。あ、先日の記事にはトウキビ載せたけど、今回はサトウキビね。サトウキビっていうと何を思い出すかな。ざわわ、ざわわのサトウキビ畑の歌かな。私はサトウキビ畑を舞台にした「深呼吸の必要」っていう青春映画を思い出す。(実は長澤まさみのファンなので、彼女の出てる映画は何気に見ているよ(^_-))

ところで、この映画のタイトルは、詩人長田弘さんの同名の詩集からとっているんだけど、私はこの詩集のほうが先に知っていて、これがいいんだ、とっても。その中でもお気に入りは「鉄棒」という詩。


 誰もいない冬の小公園の片隅にある1本の鉄棒は――知っているだろうかーーほんとうは神さまがこの世にわすれていった忘れものなのだ。ハッとするほど冷たい黒光りした鉄棒を逆手に握って、おもいきり地を蹴ってみれば、そうとわかる。一瞬、周囲の光景がくるりと廻転したとおもったら、もうきみの身体は、いつもの世界のまんなかに浮かんでいる。
 ふしぎだ、すべての風景がちがってみえる。ほんのわずか目の高さがちがっただけで。息をしずめ、順手にもちかえて、きみは身体を廻転させる。もう一ど。またもう一ど。すると、ありふれた世界がひっくりかえる。電線、家々の屋根、木の梢、空の青さが、ワーッとこころにとびこんでくる。空気はおそろしく冷たいが、鼓動は暖かい。自分の鼓動がこの世の鼓動のようにはっきりかんじられる。しっかり握りなおす、神さまがここにわすれていった古い鉄棒を、きみは世界の心棒のように。
(「深呼吸の必要長田弘 晶文社)

 小さな公園にある古い鉄棒が神さまの忘れものだなんて、もうそれだけで参ってしまうでしょ。そして、なぜそんなに神聖なものなのかは、回ってみるとわかる。そうそう、地面を蹴るのだから、これは逆上がり。やった、やった、小4のとき。これができなくちゃ5年生に進級できないとか言われて、クラスみんなで励ましあって結局全員がきるようになった。実は本当の逆上がりって地面を蹴らずに腕の力だけで体をぐいって持ち上げるのだけど、できない子は助走をつけて地面を蹴り、その勢いを利用して回るやり方をしていた。これだと何度かやっているうちに自然とできるようになる。

鉄棒は楽しかった。まさにこの詩のとおり。世界が変わるんだもの。そしてあの身体の浮く感覚。回っている間の他とは遮断された自分だけの宇宙。たかが鉄の棒一本なのにいろんな回り方ができて、そのたびにいろんな世界が見えた。そうそう、回りはじめは、いつだって鉄棒をしっかり握り、小さな覚悟をして回るのだった。神さまの忘れものだとしっていたら、もっと丁寧に回っただろうに。

そして、それから10年以上も経って、私はまた回った。長男4歳だったかな。お手本見せたんだけど、意外にも簡単にできたのは、双子を抱きかかえる毎日でしっかりと腕の筋肉を鍛えていたからだと思う。さすがに今はできないし、想像しただけで眩暈がしそう(笑)。

 

さて、今夜は二男とふたりだけの夕食なので、何にしようか考え中。