Cotton Candy

夢の続きは、ひとつかみの綿菓子

サッカーを何も知らないけど

今週のお題が「サッカー」になるほど、どこでも話題はサッカーね。

昔の話。

結婚してすぐはイギリス(ロンドンではなくて日本で言うと千葉あたり)で暮らしていた。今から思うと夢のような生活だった。始めは毎日のようにロンドンに1人で遊びに行っていたのだけど、その後近くの教会に通うようになり、そこで知り合ったマダムたちとボランティア(幼児の世話など)をしたりしていた。週末は買い物。(夫が)連休ならばクルマで国内の他の都市を観光。少し長い連休ならパリ。もっと長い連休のときはヨーロッパの他の国を観光したりしていた。ほんと、もいちど言うけど夢のような生活だった。申し訳ない...。

いくつかの国を廻って、私たちが一番気に入ったのはスペインだった。楽しかった。特にアンダルシア地方は地中海性気候で冬でも暖かで、魚介類や果物は美味しく、住んでいる人たちは明るく親切で、老後はここで暮らしたい、なんて思ったほどだった。

確か(アルハンブラ宮殿のある)グラナダだったと思う。街をぶらぶらしていたら、小さな子どもたちがサッカーの試合をしていた。そのテクニックとスピードに惹きつけられ、思わず長い時間観戦してしまった。観戦?グランドで?いえいえ、そこまでは...。じゃ、柵の外から金網越しに?いえいえ柵なんてなかった。じゃ、公園みたいなところで?いえいえ、グランドでも公園でもなく、そこは歩いていた道がたまたま広くなったみたいなところで(もしかしたら普段は駐車場なのかも)、下はぼこぼこのコンクリート、しかもその傾斜がすごくて、まるで「坂道」に強引にスペースをつくった感じだった。そんな悪条件のコートをものともせず、子どもたちは元気に力一杯プレーしていた。どの子もみんな真剣だった。そして、どの子もみんな上手かった。ゲームは本当に面白かった。一方のチームはユニホームを着ていたけど、もう片方は私服だった。でも、力は互角だった。コートの周りは応援する家族や友だち、道行く人たちでいっぱいだった。コンクリートの坂道だからボールは転がる、転がる。そこを力とテクニックでカバーする。利用もする。コートチェンジする前半後半では戦い方が違ってくる。土じゃないから、転んだら痛いから、ぶつかっても倒れない。

あんなに面白かったサッカーの試合を後にも先にも私は観たことがない。

 

その後、私は息子を2人授かり、ブームに乗って(笑)息子たちもサッカーを始めた。もちろん、日本で。日頃は近くの小学校のグランドで練習をし、試合や大会になるとあちこちの競技場に子どもたちを連れて行った。保護者たちで協力して車出しをした。たいした実力もないのに、一人前の格好をし、りっぱなグランドでプレーしていた子どもたち。コンクリート?坂道?とんでもないよね?そもそも、親たちが許さないよ(笑)。

時が経て、スペインだってもう坂道で試合をするなんてなくなったかもしれない。でも、前回のワールドカップで優勝したメンバーは、もしかしたらその中にいたかもしれない。坂道なんてほんの一部分で、実際はもっと悪条件の中でサッカーをしているのかもしれない。南米やアフリカはもっともっと過酷かもしれない。

 

先日の日本の初戦は残念だった。テレビでもはっきり分かる大雨の中だった。天候というコンディションは相手も同じだけど、もしかしたら、相手の方が悪条件に強かった(慣れていた?)のかも。それだけの違いだけだったのかも。

 

次は金曜の朝ね。がんばれ日本。勝ちますように!